墓参り2018
ギラギラと熱い日差しに刺されながら大阪メルパルクホールへ。前にテニミュで一度行ったな〜と…その時は二階席でシャカリキファイトブンブンの振りが覚えられず諦めたところに桃ちゃん先輩が現れてハイタッチしたんだったなぁ。
今日は演劇女子部の「ファラオの墓」観劇です。ちょうど一年前、盟友ぱこさんと初めてモー娘。の現場を共にしたのがこのファラオの墓。あれから一年のうちに10期バスツアー、どぅーの卒コンと歴史的な現場を共にする事になるなんて思わなかったよね。
今年は大阪でもファラオをやってくれるとの事で一人で観劇。観た公演分のパンフレット及びピンポスは完売、日替わり写真も焼け野原。悲しみの気持ちで帰路についています。
そして忘れないうちに感想をまとめなければと文字を打っています。
全体の構成的な面では明確にスネフェルを主役として置いた事によって去年よりも分かりやすさが生まれた気がしています。去年の自分の感想を読み返してもやはりサリオキスとアンケスエン側の質量に物足りなさを感じていました。サリオキスとスネフェルのダブル主演であるからしてどちらも取り上げなければならず、量や尺的なものは恐らく大差ないのにどうしてもスネフェル側が濃く感じてしまう。
その点で分かりやすくスネフェルに重点を置いて母の要素を足し、スネフェルの背景を充実させた今年の構成は良かったのではないかと思います。サリオキスには申し訳ないけど…。
その影響でサリオキスとアンケスエンの恋がほぼほぼ省かれていたのですが、結果アンケスエンが死ななかった事もスッキリしていたように思います。
アンケスエンの死が軽くなってしまった事が少し残念であったので、そうなるよりは幼馴染であり婚約者のスネフェルを心配する気持ちと貴族として国民を愛する心を持ち、一方でスネフェルとの愛のない婚約を拒む美しく聡明な姫というだけの方がかっこいいです。
なので、構成としては今年の方が重点が分かりやすく演出もやりやすかったのではと思います。原作未読なのであくまでこの劇だけを見た私の感想です。
続いてキャストについて。
まず、去年と変更があった人たちの中で成功しているのは
アンケスエン まりあ
ジク まーちゃん かなぁと。
ふくちゃんは貴族役が似合うしこれまでもこなして来てるのでアンケスエンも似合っていましたが母性や情、包み込むような広い心が伝わってくるので去年のようなサリオキスとの恋もぴったりだったなぁと思うんですが、今年の構成だとアンケスエンはまりあの整った顔と美しい姿勢で以って情よりも聡明さを押し出す方が合っていたと感じました。(お歌の面でややハラハラしたところもありますが歌パート少なかったので許容範囲)
まーちゃんは去年トキ役でしたが、すごく可愛いし砂漠の鷹の結成シーンもかっこよかったしエロシーだったんですけどストーリーテラーとしては何を言ってるか聞き取りづらかった記憶があります。
対して去年のジクははーちんで、あれはあれではーちんらしさが活かされる良いチョイ役で良かったと思うんですけど。今回のジクは180度変わってワルな役で、ちょっと狂ってるようなところがやけに優樹佐藤にハマっていました。
オープニングからジクだけ杖を使った振りで他と違っていて気になりすぎたし…ケス大臣、ジク、マリタの三人で悪の一味〜!というワル感がマシマシでかっこよかった。前回一人ちょっと浮いてたマリタもかなり活きたし、ケス大臣も手下が増えて去年よりも強そうに。
動乱中の殺陣でも、マリタvs.サライ、ジクvs.イザイの対比が面白かった。マリタと武器や戦い方が違うのでバリエーションが増えた。杖をバトンのように回しながらギャハハって笑ってちょっと狂ってるのがほんとにヤベー奴って雰囲気で…。
あれ?この役、去年はケス大臣に弱み握られて証言させられるポケポケな役じゃなかったっけ……????ん??
今年のジクは佐藤優樹しか出来ないジクでした。同じ役を話の作り方でここまで変えてくるのは面白い試みだなぁ〜と素直に感じました。去年のトキ役よりも伸び伸びと演じられていた印象も受けます。まーちゃんにストーリーテラーは自由度も低くやっぱり荷が重いかなぁと…。
今年はふくちゃんがトキ役なのは少し勿体無く感じたりもしましたが、アリがトキの息子として出てきて、ふくちゃんの有り余る母性をそこに回してきたか!と面白かったです。アリは去年よりもパビ寄りのキャラ設定で、母親トキに怒られるシーンがあったりで凄く記憶に残ってます。まりあが演じるとすらっとした心優しい青年、ちーちゃんが演じるとバブバブ感の残る可愛いショタ。キャストによってキャラ感を変えてくるのはジクとアリどちらもかなり良い変更だったと思いました。
あかねちんとよこよこの交換は本当に本当にどっちも良くてどっちも朗らかで、交換させる二人が最高過ぎる。
どっちもキャラ感は似ててスネフェル、サリオキス両側の息抜き、ちょっとおまぬけで可愛くて憎めないキャラたち…。
悲しいお話だからこそこの子達(+アリ)が必要不可欠なんですよね…。あと安定のネルラ飯窪お姉さんね…ファラオの墓におけるオアシス…泣
あとちぇるのイザイですが、すげー面白かった……面白かったんですけど、イザイの実はいい奴っていう意外性を出すにはちょっとコミカルすぎるかな〜と…
去年ナイルキアという大役を見事に演じ切ったので、これまた180度違うイザイという役を演じるちぇるを楽しみにしてましたが、やっぱりナイルキアの方が似合ってるよなぁ〜と…。荒くれ者の頭領っていうのは誰でもできる役ではないと思うので…。持ってる雰囲気もあるしなぁ〜。
でもちぇるの野太い歌声や掛け声を聞けたのは新鮮で良かったです。
ここからはメインの人たちについて。
◼︎ナイルキア小田さん
究極のぶりっ子歌唱ここに極まれり…
あの、なんなんですかあの声わ……えっと、あのぅ………囁くような響かせまくるハミングのような……え…???
去年のちぇるルキアはなんだろう、か弱いのだけど、それでも王族としての誇りとか兄への強い思いを内に持ってる妹だったんですけど、小田ルキア8割増にか弱くて純潔でまっさら………。
本当に何も知らない女の子ですょあれわ……ひぇぇ…メネプ神官の家でのソロパートの溢れて階段を転がってくみたいな歌い出しから、もう一度母の胸に抱かれ〜〜〜って高らかに立ち上がってゆく歌声…。
なんみぃだ♪とんまらないぃっわぁぁ♪♪♪あんなぁた♪♪やさしっすっぎっるかっらぁ〜〜んあ♪♪♪
止まらねーよ!!!!
なんなんだ……無垢で可憐で庇護欲を掻き立てまくるあの娘は…汗汗 動揺が止まらん…止まらんぞぉ……。
いや、ほんとに、ちぇるルキアもめっちゃ可愛くてさ、ほんとに妹らしい妹でさ、ほんとにちぇるで良かったなぁ適役だったなぁって去年散々思ったんですよね。いやぁ小田さん……すげぇ…改めてすげぇや…。前髪のある小田さんはお目目の大きさが倍くらいに見えるのでほんとにきゅるきゅるりん♡なんですよねぇ…お花の髪飾りも(バラっぽい造花でアレ?って思ったけど)乙女♡て感じで可愛かったです。
ただ一点だけ、あまりに無垢でか弱いところを前面に押し出し過ぎて王族としての振る舞いや雰囲気はあまり感じられなかったのが個人的には引っかかるところがありました。何度も言いますが原作未読なので原作がそういうキャラなら申し訳ないんですけど…。
サリオキスの死を知って森で自殺しようとするシーンも、ちぇるルキアは「兄が死に、このまま自分だけ生きながらえるより死んで兄と一緒のところに逝こう」って感じたんですけど、小田ルキアは「お兄様が死んでしまったなんて…つらい…悲しい…ひとりぼっちでなんて生きてけない…無理…」っていうふうに感じてしまったんですよね…。
スネフェル様にメロンメロンな小田ルキアめちゃくちゃ可愛くてほんとにマジでウフフ〜アハハ〜こいつぅ〜!♡ミ♡ミ♡ミ♡ミ♡ミ♡ミっていう幸せ感はめっちゃあったんですけど、兄とスネ様両方の為に死を選ぶ覚悟を持つような強さを持ってる気配は感じられなかったので突然覚悟キメたときにはえ??!あれ?これまでのキャッキャウフフモードをそんなすぐ捨てれる?!って思ってしまった。「スネフェル様が好きっ♡」って目が言ってたじゃん……。その点においては去年のちぇるルキアの常に迷いながらも自分の芯を持っている王族の女の子の方が覚悟キメて高潔に死を選ぶという行動は辻褄が合うなぁ〜〜と。
いやでも本当に小田ルキア可愛さの権化。カテコでも「昔からぶりっ子する癖があって学校では女子に不人気だった(大意)」と衝撃暴露してくれた小田さくらさんほんとに最高の女だ…。
ソーユードンハフトゥ〜ウォ〜リウォ〜リ まも〜おて〜あ〜げ〜たい〜〜♪♪♪♪♪♪コーズアイラ〜〜ビュ〜〜♪♪♪♪
いやでも小田ルキアは守ってあげたいが、小田さくらにはむしろ守られたい、そうだよな?
ファラオの墓ハピエンverのスネナイが小田ルキアで見たいです、切実に。Neinのエレミシャみたいになっちゃう…♡
◼︎サリオキスかえでぃー
今回はスネフェルメインだったので分かりやすかった分、前回を観てる身からするとサリオキスはちょっと不遇になってしまいましたね。小田さんがナイルキアな今回はサリオキスを演じられるのは本当にかえでぃーしか居ない気がするので順当な配役なのかなぁと。
この構成上、サリオキス的にはナイルキアがスネフェルを愛していたからこそ死を選んだ事を知らない状態で結末まで進むようになってしまう。最後もスネフェルを刺してからスネフェルが死ぬまでセリフもなく床に倒れてるだけだし…。
でも、かえでぃーから溢れる真面目で硬派なオーラからはアンケスエンとの恋模様を想像出来ないな…っていうところもあったのでスネフェルメインの構成でのサリオキスという分量でちょうどよかったのかも知れないとも思います。
去年の公演は結局太陽の神殿編しか観てないのですが、どぅーのサリオキスの主人公感と言ったら……。元々の明るさ華やかさ清廉さとあの軟派さ、それがあってあの物語の主人公というオーラが生まれていたと思うし、また、どぅーだからこそ敵国の姫、それも仇の婚約者に恋してしまうところも、まぁまぁ…チューされてしもうたらなぁ…しゃーないか〜あり得るわな〜〜って思えてしまうんですよね。
かえでぃーってほらモロ硬派です!!!ってイメージなので、そういう点ではイザイの方が似合っていた気もします。
また、サリオキスって最後の方になるまでずっと衣装が地味なんですよね。奴隷の中に身を潜めてるからなんですけど、やっぱりその地味目な衣装で映えるのはどぅーのお顔だったからかなって。かえでぃーはお顔がシンプル目なのでイザイのようにあれこれ飾り付けるアイテムがあって舞台に映えてくる筈なんですよね。砂漠の鷹バージョンの衣装はめちゃくちゃ似合ってました正義のヒーローって感じだった。ちょっとしか観られなかったのが残念過ぎます。
比べるのは少し違うかも知れませんがとにかく工藤遥のサリオキスの主人公としての溌剌としたオーラは一目瞭然で、だからこそ太陽の神殿編でスネフェルの方が方が話が重い事に勿体無さがあったんですね。正統派主人公オーラが凄いサリオキスよりもヒール側主人公スネフェルの方が印象に残るってどないやねん……っていうモヤモヤが…ね…。
総合的には、スネフェルメインにした為にサリオキスは恋愛面を省かれて硬派で真面目な復讐者と兄っていう属性になったので前作からすると勿論物足りないし不遇なんですけど、そうなるのは仕方がないのかなぁと。今回のサリオキスはその点かえでぃーでぴったりだったのではと。自分硬派ですから。的な。
かえでぃーはめちゃくちゃ暗い主人公の役とかスゲー似合うと思うんだよね…。演劇女子部では絶対あり得ないけど、なんて言うか日本の文豪が書いてる話の主人公みたいな。思いません??わたしだけ?汗 怪しくて淫らなお姉さんにそそのかされる青年役とか真面目に似合う…戸惑いながらも逆らえないんだよなぁ…真面目さとの葛藤に苦しむんだよ…全部わたしの性癖なので申し訳ないです。
そう言えばキャスト発表当初、サリオキスかえでぃーとアンケスエンまりあってそれただのまりでぃーやんか笑笑って思ってたけど、そうじゃない。そうじゃない。ふざけてなんかないよ。
◼︎スネフェルあゆみん
ようやく辿り着きました。長かった…。母上……。一応石田推しなので…。
まず、ビジュワル〜〜!!!
何!あの青いエクステ!?付け毛?
えー!なに?かっこいいよぉ……ちょっぴり宝塚エリザベートのトート閣下的なものを感じてドキドキしてしまった…。
青いアイシャドウなのはTwitterで見ましたけど…奥二重に隠れてしまう青シャドウ可愛いね………あとなんか蛇のうねってる冠。
繰り返しますが去年の月の砂漠編を観ていないのでスネフェルと言えば石田亜佑美なのですが、今回はスネフェルについてより掘り起こしていたので狂気よりも人間臭さを感じました。同じシーンもあったんですが、去年はキラキラ主人公サリオキスとの対比で余計に狂気が際立っていたところがあったんだなぁと。
母への積年の焦がれ、父からの厳しい教育、人に愛された事がない寂しさ、腹心の裏切り、そういう一つ一つの要因が見えてくる度に狂気は和らぎ可哀想な子供のように見えてくる。
去年のスネフェルは展開の悲劇さとそれに伴う狂気とが鮮烈で、それをこなしたあゆみんの演技力は大したものだと思ったのですが、今年はそれとは違って一人の寂しい小さな人間という印象を持ちました。その転換自体がスネフェルを主人公にした本公演での成功なのではないかと思います。衝撃、というよりは物悲しい気持ちで観終えるような。
いやでも去年の衝撃はアンケスエンが突然そんな死に方する?!っていう驚きの衝撃もあった気がするなぁ。
スネフェルって悪逆非道ですが、だからこそ敢えてあゆみんのような小柄で華奢な方が弱さが同居しててキュンとするんですよね。アンケスエンの方がデケーし堂々としてない??スネちゃまのこぢんまり感…玉座の段差もあゆみんの足の長さにピッタリで細かに足の組み方とか置き方変えててそれがどの段差にもフィットするものだから、玉座も込みでスネフェルと思うくらいで玉座作った人ありがとうな。
苛立ってる時は貧乏ゆすりしてたり、ナイルにメロメロな時は玉座の獅子?のところ撫でてたり狭い筈の玉座のうえでコロコロ姿勢変えるので目が離せない〜!
サリオキスをカットしてスネフェル描写に回したため、人間味部分が露見したスネフェルですがやっぱり何よりもママ!!!!!ママ要素が一番の注目ですよね。汐月しゅうさんの所作の美しさ…。
私は「うまく母親ができない母親」というのが本当に好きで、母とて人間なので全員が良い母親になれるわけではなくって。でも放棄するのではなく、頑張ろうとするけど子供との距離やコミュニケーションが適切に取れなかったり、子供の事が分からなくて失敗しちゃうような親とその子とのやりとり。それが何より切なくて心にくるものがあるんですよね…。
(ホットロードの主人公の母親とかほんと大好きなんですけどね。)
だからこそスネフェルのママ要素は私的にはとてもありがたかったです。ナイルがきっかけでああったけど心の中にはナイルだけじゃなくて母親の存在もあってほしい。メリエル皇太后の膝に身を預けて抱擁を求めるスネフェルのなんと健気なことか泣泣
スネフェルが何歳なのか分からないですけど、少なくともあゆみんスネフェルは素直になれずお母様を傷つけて気を引こうとしていた小さな子供という印象です。言わずもがな観客の母性もスゲーくすぐられるじゃないですか…ねぇ…?
要素を加えたりところどころ変えたりしてはいるけども結末は変わらないのがやり切れませんが。そこまでのプロセスや背景を捕捉しつつ向かってくれたのであゆみん推しオタクとしてはとても嬉しかった。
マジモンの狂人スネフェルに怯えつつあゆみんの演技スゲーなって思ってた去年と、いろいろ紐解かれた果ての痛々しい狂気のスネフェルに小さな子供を感じて同情と母性をくすぐられ爆泣きした今年。
やっぱりあゆみんの響かない歌声大好きだなぁ。ダンスしながらのお歌ももっと安定すると良いよね…最近向上してる気がするからこのまま頑張ってほしい泣
スチスチのスチ…。
あと、とにかく舞台上の工藤遥殿の存在感ほんと凄かったんだなぁとも思った。そしてとにかくオメーは月の砂漠編もちゃんと見ろよな…。
ブログ書くスタンスがちょっと変わったので今年の感想はこんな長くて申し訳ないけど思ったことはだいたい書けた…。
また円盤化したら見比べるの楽しみですね。パンフレットはメルカリかなんかで買ってもいい…?泣
スネナイ…
はーちんの卒コンまであと少し!そちらも感想まとめられたらいいなぁ。
それでは〜!