ゆれる

長めに喋る事〜!

引用と遊び心の発見

 

最近思った事書きます。

私は結構パロディとか引用とかオマージュが好きなんですけれど、それに気づいたのがGLAYのHISASHIとアーバンギャルドの松永天馬の存在でした。

本はどちらかと言うと読む方ではあるけども本での引用はあんまり見つけられないんですよね悲しいことに。勿論その本自体の物語があるからだと思うんですけど。読み終わった後に感想を文字にしたりしみじみ思い返したりして、その後ネットで他の方の感想を読みに行くんですが、そこで、この本の中のここはこれのオマージュだ、パロディだ、って解説してくださってて、知ってるものならなるほど〜!知らないものならそうだったのか〜と、思うのです。

 というわけで本は読んでる時には気づけない。そして私は映画には明るくない。映画、ほんとに難しい、映像でダイレクトにイメージが突きつけられるので、体力が必要なんですよね。見る側の受け止め度合い気にせずノンストップじゃないですか、確実に消化不良になる。かといって途中で巻き戻す訳にはいきませんし、一通り見終わってからまた巻き戻す気力もない…。本は立ち止まって心ゆくまで反芻できるから理解してから進むことができる。映画好きな人凄いなぁと思います。私が観る映画が重いものばっかりだからかもしれないですけれど…。

 

という感じで本も映画もダメなので、音楽で引用を発見楽しんでいます。耳に流れてくると言葉を認識しやすいというか…気付く時にハッッ!って気付くのが楽しいです。それは「良さ」も同じで、何気なく聞いてた時に1つの歌詞がめちゃめちゃ良くて耳に残るというのもあります。それも好きー!

 

私が引用を発見するにあたって大事にしてるのは、調べないこと!調べればすぐに元ネタ特定班のファンが丁寧に解説してくれてるブログがありますので。調べれば分かることなんですけれど、自分が自分の意思で摂取した物から共通項として引用に気づけるという体験が好きなんです。新しく本を読んだり映画を見たり、何か知ってから聞くと、これまで聞き流してたものが拾えるようになる事の楽しさは、悔しい〜〜けど好きだ〜〜憎い〜〜!!!っていうちょっと複雑な気持ちになります笑

 

では、まずGLAYのHISASHIなんですけど、GLAY自体の話もしたくなってしまう…笑 GLAYは母がずっと大好きで本当に赤ちゃんの時からずーっと聞いてます。そしてこう、ずっと聞いてるとHISASHIの曲って遊び心が多いなぁ、と、めちゃくそ厨二だなぁ、と思うようになりました。

パロディとか引用ができる人って風刺も上手い、というか…。パロディという言葉自体に風刺の意味があるのでなんだか変な文になってますが…。語感が優れてると思います。言葉掛けも上手いし。歌詞の意味が大切な時もあるけれど、言葉の音が良いかどうか(?)、語呂が良いかどうかも重要…だなぁと…。HISASHIの曲は歌詞の語感が良い。メロディに対して言葉の数が多くはあるんですけど、

 

coyote, colored darkness

という曲の歌詞が好きなのですが、

 

風に切れた悲しみの色は 月光の深い鉛の影

枯れ葉色の憐れみのコヨーテ 闇に彩る

紅く燃える愛憎を碧の空に乞う 黒に閉ざされたリアルを鈍く光る牙が断ち切る

銀の残像が灰になる前に 白の地図に爪で刻む 靡くたてがみが残した日々

今そこに

 

このサビ前からサビにかけて色を表現する言葉が凄く多い。そして余すことなく厨二感。なのに歌ってるのを聞くと流れるようなメロディで凄く綺麗なんですよね〜〜( ;  ; )すげ〜不思議!ちょっと引用やパロディから離れてしまいましたけど。自分の好きな言葉を操る事ができるのは素晴らしい事だと思います。

 

話を戻してパロディがわかる曲をいくつか例に出すと、

 ◆「シン・ゾンビ

 一目見れば分かる、シン・ゴジラのパロディ…。太鼓の達人とコラボしてるのでドンちゃんが喋るんですけどそれが可愛すぎるのですげ〜好きです。途中でオタ芸のタイガー、ファイヤー、サイバー〜〜も入っててごった煮感が凄い…。

 

◆「黒く塗れ!

これは厨二全開でもあるけどパロディも多くて凄い好きな曲です。黒く塗れ!もほんとに見事に厨二な歌詞でそこも気持ち良いです。ようこそここが黒のギルド♡ステキな闇の世界へ♡

まずタイトルの「黒く塗れ」自体がローリングストーンズの曲にあるし、「汚れちまった悲しみを」は中原中也、「私無痛の煩悩ガール」とかいうニコニコ動画にありそうな歌詞もあるし…私が全然気づかないような引用も多分たくさんありますまだまだ…笑  HISASHIもう44歳とかなのに深夜まで毎日楽しくネットや音の機械(語彙力)で何かやってるらしくてそりゃ引き出し多いよ!!!って思う。人生を楽しんで生きてるんだろうなぁと純粋に純粋な探究心で生きてそう。とにかく生粋のオタクなのでしょう…。ネットとか電子音楽とかのコアなところはわからないしそんなに興味もないのでわからないままでまぁいいやって(๑˃̵ᴗ˂̵)

 

そう考えるとアーバンギャルドの松永天馬氏の方が私としては分かりやすいです。文学的な方向のパロディが多くて…。アーバンギャルドはネットで知り合った方に教えて貰って好きになりました。浜崎容子様の歌声が凄く好きです。

 

松永天馬さんは多分物凄い文化人です。海外小説、聖書、世界史、日本のレトロで退廃的はカルチャーに物凄く知見がある、というか好きなのでしょう。そもそも曲のために知識を入れてるのか、過去に蓄えた引き出しから引用してるのかが分からないんですけれど、まぁそれは私としてはどちらでもよくて。

ヴァージニア・ウルフとか、アンナ・カレーニナとかアーバンギャルド聞く世代(?)に読んでる人はいるのだろうか、と思うんですけど、私が読みたいけどまだ読めてないものばかりなのでもう悔しいんですよね…。

あと時事ネタも多いです。「ゴーストライター」や「ももいろクロニクル」とか。そして松永天馬さんも語感が凄く良く掛詞が上手い。「恋をしに行く」という曲で、サビで恋をしに行く、行為をしに行く、故意のシニック、合意のシニックと4種類あるんですけどちょっとずつ変えてさらに響きが似たそれらしい意味の言葉を当てるのが上手い。

あと頭の言葉を揃えるのを多用するのでそれもインパクトが強いです。同曲の冒頭の歌詞もそれで、

終息して行く処女の症状

相克して行く齟齬の候

再生産する差異の桜に

叫ぶより先に三度書き付けた

し、し、し

そ、そ、そ、

さ、さ、さ、

さ、さ、さ で聞いてて耳に残るんですよね〜〜とても!

 

発見、というところの最近の体験では、「処女の奇妙な冒険」(この時点で思い切りパロディ)という曲の「オルレアンの乙女だって憂鬱」という歌詞。私は先日からFGOにハマっております。ゲーム内で、特異点たる場所として出てきたのがオルレアン。オルレアンの乙女こそがジャンヌダルクでした。世界史に弱いので全然知らなかった。

FGOやり出してから、何年も前から聞いてたこの曲のその歌詞にア〜〜!!!ってなったんです、ほんとつい昨日とかに。FGOをプレイしなければずっとこの歌詞がジャンヌダルクだと知らなかったし耳に止まりもしなかったはずです。こうして時間差で見つけられた要素が私はとても面白く感じるんです。

 

それでいて悔しいんですよね…松永天馬氏はアンナ・カレーニナヴァージニア・ウルフも読んでて…聖書も神話も詳しい、えーん!私もいろいろ知りたい!って…笑

また、アーバンギャルドはタイトルも直接的なパロが多くて笑ってしまう。さっきの「処女の奇妙な冒険」もそうですけど、「粉の女」「トーキョー・天使の詩」「墜落論」 「雨音はシャロンの調べ」…まだあるけど、ほんとまんまのオンパレードという感じ。砂の女凄い好きなので粉の女は笑いました…。

 

あとアーバンギャルドを好きになってから、アーバンギャルドがボカロとコラボしてるのを知って、それが「護法少女ソワカちゃん」だったのですが、ソワカちゃんソワカちゃんであらゆるパロディのオンパレード……。

「修羅礼賛(陰翳礼讃から引用)」ではゆあーんゆよーんゆやゆよん、がそのまま歌詞に出てくるし、ゆあーん、ゆよーん、ゆやゆよん、それぞれ別個体で汚れちまった三兄弟として登場する。笑

空也をクーヤンというキャラにしてるのも可愛い。ソワカちゃんの作者?(ボカロPと言うのかな)もかなり博識な人ですきっと!

 

あとキンプリ、キンプラでも過去作のモチーフを多用してるうえに、他作品のオマージュもあるから分かる人が観ると凄い盛り込んでる…!って話題な訳ですし。知らなくても楽しめるけど、知ってるともっと楽しいの良い例かなと…。

 

いろいろ挙げましたがこのような、知ってから聞くともっと楽しいっていう体験から、私も自分の同人誌にネタを詰め込むのが大好きになっています。もうめちゃめちゃに遊んでます。

これ分かる!って人が一人でも居てくれれば満足だし見つけてくれてありがとうと思います。分かるということは好きなものが近しいという事だから…。

 

これからもひっそりでも直接的にでも、引用されたものを自分の力(?)で発見して楽しみたいなぁ〜〜って思います。たくさん分かる人が凄いとか、ちゃんと調べるのがファン精神とか、そういうランク付けはどうでもよくて、私が見て聞いて、私の持ってるものだけでそれに気付けたときの快感はほんと言いようがないので人と比べるものではないかなと…死ぬまで気づけないこともあって良いし当然の事なので!

 

 

あとGLAYについてはほんとにまた別の記事として書きたいな…。

 

今回は以上!