ゆれる

長めに喋る事〜!

読んだ本

 

最近読んだ本について。時間経過してそんな最近でもなくなってしまった笑

 

◆何もかも憂鬱な夜に / 中村文則

人間小唄 / 町田康

この2冊です!

 

タイトルからして陰鬱ですね。

◆何もかも憂鬱な夜に / 中村文則

 

人に勧められて読みました。すごい良かった。ただちょっと、女性の描写とか扱い方が粗暴過ぎて、ん?てなることはあったんですけど、まぁ男の人が書いたしそんなもんだよなぁと。

 

これが昔の人なら何とも思わないんだけど、古典はありで最近のはダメっていう考え方は良くないかもですね…。私が女だから許して。あと主人公が暴力的過ぎる。大人だし、腹がたっても普通そんなに蹴ったりしないょぉ…って思いました。刑務官だから受刑者に高圧的に振る舞うのが普通で、それに慣れてるからでしょうか。

 

主人公が刑務官という設定は割と珍しいと思いました。刑務所の仕組みとかよく知らないので興味深かったです。死刑のやり方も初めて知りました。死刑に対する議論の内容も確かにな〜と納得できます。

あと決定的な情報はあまりなく、読んでるうちに主人公は昔施設に居たらしい、「あの人」がその施設長らしい、ってぼちぼち判明していくのも心地よかったです。

 

後半に出てくる、人格に罪の責任はあっても命にはないという考え方が凄くて。今までそれに近しいことっていろいろ摂取してたと思うんです。一人一人の命はかけがえないとか。でも人格と命を別物として扱う事に全然気がつかなくて、犯罪を犯した人格は許せない、罪がある、もちろん裁かれるべき、だけども、その人の命は、生命自体には罪はなく、みんな等しく命であって、軽々しく奪えるものじゃない。作中では、お前に全責任はあるけどお前の命にその責任はないと思ってるって感じの台詞だったけど。

人格とかすべて取り去ったまっさらな純粋な命…それにはほんとうに確かに罪はないと思えてくる。

 

あと、どんな人間も芸術は等しく触れ、受け取る権利があるということ。思います、確かに、芸術に触れてない人には触れて欲しいと!何がその人に芸術として響くか分からないけど、まずはずっと愛され続けている古典からとか、それはどっちでもいいんですけど。死刑囚の手紙で意味はあんまりわからないけど今ハムレットを読んでるとか、じーんときました。我がギャル妹が本を読もうとしてくれたときもそうです。

何かに感じ入ったり、機微を捉える事ができるようになること、これほど楽しく素晴らしいことはないと思います。

 

なので、命は別物として考えること、芸術は誰でも触れる権利があるということ、この二点がこの本を読んで素晴らしいなと思ったところです。陰鬱な雰囲気好きですしねもともと!

中村文則さんの本はあと 悪と仮面のルール も積ん読なのでいつか読まなきゃですが、やっぱり 教団X も気になりますね。

 

 

人間小唄 / 町田康

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装丁というかカバーに惹かれてジャケ買いした本です!本当に素晴らしいカバーなのですご覧ください。お猿さんの佇まい、タイトルの位置、文字の大きさ、最適でしょう。そして帯の色も表紙に合わせた茶色。パーフェクトです!

以前ジャケ買いした『燃焼のための習作 / 堀江敏幸著』も素晴らしかったので私のジャケ買いで私の好みの本にあたる確率はかなり高い!最高!

 

今回は話の内容というか、言葉選びがパンチありすぎて…型破りで読んでいて楽しかったです。ここでこういう言い方するか〜〜〜〜ってクセになる感じ。リアリー?とかザッツオールとかパルドン?とか、普通に途中で出てくるから笑ってしまうけど、すごくリズムが良い〜〜読んでて小気味良いです。ツイッタルも笑った。

 

登場人物の名前も印象的過ぎる。短歌も面白い。出てくる言葉や言い回しからかなり若い感覚と語感を持ってるんだなぁと思ったら著者さんはミュージシャンらしくて、なるほどってなりました。

読んでる時の文字のテンポが気色ええわれというか…そんなかんじで…たまに文末に遊びが入るからなおさら面白くて。

 

話的にも文章的にも好き嫌いはわかれそうだなって思います。私は好きです笑

 

 

あと偶然だけども、「何もかも憂鬱な夜に」に芸人のピース又吉が解説文を寄せてるんですけど、「人間小唄」もテレビかなんかで紹介してたらしいんです。図らずも又吉おすすめ本を連チャンで読んでた……。好みが合うのかな…「火花」読んでないけど…文庫でたし読んでみようかなって思ったりしました^ ^

 

今は吉川英治著の三国志読んでます!まだまだ先が長い〜〜!